Feminist Zine Collective

femi Zine Collective

フェミZineコレクティブ

ダンワら連(2015)、 黙ってら連(2016)、 NoWar連(2018)、 homeら連(2019)

抗議声明 「おかしいと思うことに声をあげることで制裁を受けても、私たちは怒り狂うだけだ」

 2020年2月、Aさんは不当な家宅捜索を受けました。ふだんAさんは、家父長制ネオリベ社会はおかしい!オリンピックはいらないぞ!と声をあげていますが、生活する場と記載されている住所が違うという「免状不実記載」ということを口実に、制裁(家宅捜索)がなされたのです。
突然大勢の警察がAさんの住居へ押し掛け、Aさんは、携帯電話、パソコン、銀行カードなど、生きていくために、生活するために必要な、連絡手段や財産、重要なものを、たくさん持ち去られました。
生体認証のためのDNA採取をされ、長時間の捜索の間、上着を着ることすら制止され、仲間を傍に呼ぶことも阻止され、トイレまで監視されました。
そして、Aさんと仲間の抗議によって、押収されたものが戻されたのは3月も末に入ってからです。

 このことだけでも人権侵害であり、その間、生活が成り立たなくなるような酷い状況がつくられ、決して許されないのですが、それだけではありません。Aさんは、押収されたものから情報を盗みとられ、返されたあとも、捜査が続けられています。家宅捜索があった日から今まで、ずっとストレスが続いています。このような状態に置かれては、人間関係にも支障を来しかねません。
人権侵害はなはだしい家宅捜索や押収を行い、精神的苦痛を与えようとする警視庁公安部を許さないとともに、家宅捜索に対し令状を認めた東京地裁にも同様に抗議します。地裁も机の上でサインするだけでなく、サインをした自分がこのような人権侵害を認めているのだと、現場に来て一部始終を見て、立ち合うべきです。

 生きづらさ、DV、暴力、いろいろな事情のために逃れる必要があり、生活の場所を「住所」として登録できない人はたくさんいます。せっかく逃げたとしても、オリンピックのような国策に対しておかしい!と表明することで、国家権力から、家宅捜索、人権侵害、日常生活がおくられなくなるような制裁がされる。こんなこと、許されません。

 

 免状不実記載を理由にした家宅捜索と押収から3か月経ったいまも、わたしたちがこの事態を看過できないのは、homeら連で『脱獄』というZINEをつくったことにもあります。
つくったわたしたちも、手にとった人も、ヒリヒリ、ピリピリしたり、涙したり、こんな風に考えてもいいんだと思ったり、そうだそうだと頷いたり、それぞれ、いろんな思いを巡らせたと思うのです。
何故って、家父長制中心の家族のありかた、暴力にからめとられた家族のありかた、そういう「家族」「コミュニティ」「国家」から逃げることで、ようやく自分が自分らしく生きること、生き延びることが出来ること、そういうことを、感じるからです。
もっと記事に即して言うなら、わたしたちは、血縁や戸籍に縛られることなく、生きることは出来るし、生きたいのです。

 最近は、感染症対策を名目に、政府は「家に居ろ」と、閉じ込めようとします。もちろん感染拡大を防ぐためだとしても、自宅待機によって、家族のなかに感染問題を押し付けられるのは、責任転嫁です。これまで家族のなかで子育てを完結しろ、家族のなかで介護を完結しろ、と言われてきた/いるのと同様です。そして、その家庭内でのケア(支払われない労働)は、いつも女性がすべきことだとされ、負わされます。
また、外に出ることや第3者の間接的な介入によって、生きづらさや支配、暴力から身を守ってきた人たちは、閉じ込めて管理されることによりこれまでの関係性の均衡が崩れ、命に関わる危険すらあり得ます。
災害時に、DVや性暴力が起こりやすいことは、これまでも報告されている通りで、家や逃げられない空間のなかに閉じ込め管理されることの問題性も、無視することは出来ません。
「家」は、全てのひとが安心できる場ではないのです。

 

 家父長制の一番小さな集団の家族、家父長制が根付く社会、家父長制を維持するための戸籍制度と天皇制、家父長制によって国家を維持しようとする支配者たちは、そこから脱することを、脱するものを許さないのでしょう。
逃げることに制裁してくるような支配者たちに対して、はっきりと、ふざけるな!そんなこと許さない!と、わたしたちは声にします。

 脱獄を読んでいるおんなたちへ。とどまっている人たちへ。暴力と、家父長制から逃げる全ての人たちへ。わたしたちには『脱獄』があることを、呼びかけます。
抗おう、こんな制裁を許さない、NOと言おう、そして生き延びよう。

                                2020年4月29日

                                homeら連

 

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Aさんへの家宅捜索に対する声明 リンク先
反五輪の会

NO OLYMPICS 2020> 反五輪の会 (Hangorin No Kai) - 反五輪運動の仲間への不当な家宅捜索に抗議する!


ふぇみん

ふぇみんな日々: 「五輪反対の声を上げるAさんへの不当な家宅捜索に抗議します」声明を出しました!